あと施工アンカーの定義

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あと施工アンカーの定義

 

金属拡張アンカー

金属拡張アンカー
 
金属系アンカーの分類

金属拡張アンカーは、アンカーの拡張部を拡張させる方法により打込み方式と締付け方式の2種類を大別し、作動の型・式により8種類に分類する。
内部コーン打込式施工動画は  こちら
芯棒打込式施工動画は     こちら
フラワーアンカー施工動画は  こちら




定 義

「金属拡張アンカー」とは、金属系アンカーのうち、固着部に拡張機能を有し、予め穿孔された孔の中で、アンカーを打込みまたは締め付けることによって拡張部が開き、母材に物理的に固着するアンカーをいう。

固着原理
金属拡張アンカーの固着は、アンカーの一部を打撃あるいは回転・締め付けて拡張部を開かせ、「くさび状態」とすることで得られる。
アンカーの固着力(引張力)は、母材孔壁から拡張部が受ける支圧力および摩擦力で決まる。固着力の強さは、これらの力のうち支圧力によって決まる。拡張部をくさび状態に開かせる方法としては、ハンマーなどでアンカーを打込んで拡張する方法およびボルトやナットなどで締め付けて拡張する方法がある。


構 成
金属拡張アンカーは、くさび部分となる「拡張部」とねじなどの「接合部」より構成される。接合部には、一般におねじまたは、めねじが形成されるものが多い。またそのほか特定な用途に用いられるアンカーでは、ねじを有していないものもある。

拡張方式
拡張方式には、打込み方式と締付け方式がある。

1)打込み方式:打込み方式とは、アンカーを構成している一部をハンマーあるいはハンマーと専用打込み工具を用いて拡張部を拡張し固着する方式をいう。

2)締付け方式:締付け方式とは、アンカーに付属しているナットあるいは六角ボルトを回転させながら拡張部を拡張し固着する方式をいう。


材 料
あと施工アンカーの品質は、アンカーの機能を発揮させるための十分な「機械的性質」を有し、長期間にわたり安定したものでなければならない。


 

接着系アンカー

接着系アンカー
 
接着系アンカーは、接着アンカーとその他の接着アンカーに大別される。接着系アンカーはコンクリートなどの母材に設けた孔に接着剤を充填する方式により、「カプセル方式」と「注入方式」の2つの型に分類される。
カプセル方式については施工方法により2種類に、注入方式については調合方法により2種類に分け、カプセル方式では更に、材質により分類される。
なお、接着剤の主剤には、有機系と無機系がある。
接着系アンカー施工動画は  こちら



定義
穿孔した孔とアンカー筋との隙間を、接着剤で充填し硬化させ、物理的に固着するアンカーをいう。

固着原理
接着系アンカーは、アンカー筋の凹凸部とコンクリート母材孔壁の凹凸部に接着剤を充填し硬化させることで固着する。接着系アンカーの固着力の強さはアンカー筋の凹凸部またはコンクリート孔壁の凹凸部と硬化した接着剤のせん断抵抗力に依存するので、これをアンカー筋とコンクリートとの「付着力」によるものとして取り扱うことができる。

 

その他のアンカー

その他のアンカー
 
その他のアンカー類は、それらの固着方式により4種類に分類した。
1)打込み式
母材にあらかじめ開けた孔に本体を挿入、あるいは事前に孔をあけずに直接母材にハンマーなどのより本体を打込むことにより、母材内で本体の一部を拡張させ固着力を得る形式
2)ねじ込み式
母材に予めあけた孔に本体を挿入し、ボルト類または木ネジなどを用いて締め付けることにより、本体を拡張させ固着力を得る形式
3)はさみ固定式
母材に貫通させた孔に本体を挿入し、ボルト類または、木ネジなどを用いて締め付けることにより、母材の裏側にアンカーの一部をひっかけて固着力を得る形式
定義
「その他のアンカー類」とは、JCAAで規定している「あと施工アンカー」の分野において、金属系アンカーおよび接着系アンカー以外のものをいい、母材の片側より取付物の取付施工ができる構造を有するアンカーをいう、ただし、釘および木ネジ単体を除く。

分類
その他のアンカー類は、金属系アンカーおよび接着系アンカーと異なり、その取付け原理、固着方法は多種多様である。そこでJCAAでは本体部または強度を発生させる部分を構成する材料により3種類に分類される。

1)金属系
本体または強度を発生させる部分が、鉄鋼または非鉄金属により構成されているものをいう。

2)プラスチック系
本体または強度を発生させる部分が、プラスチックにより構成されているものをいう。

3)特殊系
金属およびプラスチックなどにより複合的に組み合わされており、金属系およびプラスチック系として明確に分類できないもの、あるいは前記以外の材料で構成されているものをいう。
 

あと施工アンカーの試験方法

あと施工アンカーの試験方法
 
JCAAでは、諸外国の試験方法を参考にして実験室で行う試験方法を1987年にまとめており、現場における、あと施工アンカーの耐力(引張・せん断)の確認方法については検討中です。このため、耐力試験は各社が独自の方法で、設計管理者、現場監督員各氏らと協議打ち合わせの上、実施しております。


1、目的
この企画は、対象母材に施工された「あと施工アンカー」強度(力学的性質)に関するデーターを作成するに当たり、共通の試験方法を規定するものである。なお、この規格は、試験室で行う試験を対象としたものである。

2、適用範囲
この規格は、あと施工アンカーの静的荷重試験の方法について規定する。

2-1アンカーの種類
対象とするアンカーは次の通りとする。
(1) 金属拡張アンカー
(2) 接着系アンカー(カプセル型)
(3) 軽量物取付アンカー

2-2対象母材
適用できる対象母材は、次の通りとする。
(1) 普通コンクリート
(2) 軽量コンクリート
JASS5鉄筋コンクリート工事に関する第1種および第2種圧縮強度21N/mm2とする。
(3) ALC
JIS A  5416に規定するオートクレーブ養生した軽量気泡コンクリート製品とする。
(4) 石材(人造石を含む)
(5) その他 煉瓦、コンクリートブロック、圧縮成型板等

2-3試験
試験の種類は、次の通りとする。
(1) 引張試験
(2) せん断試験

3、試験条件
3-1アンカーの施工方法
(1)アンカーの施工は、あと施工アンカー施工要領書に規定した標準施工による。ただし、これ以外はメーカー仕様によるか、また特別な指定がある場合は、それに従う。
(2)アンカーは、原則として対象母材の施工面に垂直に施工する。

3-2対象母材
対象母材は、普通コンクリートとする。ただし、他の対象母材については、これに準ずる。

3-2-1普通コンクリート
コンクリートは原則として無筋とするが、試験結果に影響を及ぼさない範囲で、必要最小限度の運搬用補強筋、収縮防止用ラス等は使用してよい。

 項目 仕様・条件等
圧縮強度                    21N/mm2
スランプ                     16cm
セメント                 普通ポルトランドセメント
粗骨材                    25mm以下
養生 大気養生とする。
ただし、7日間以上は、散水その他の方法で湿潤状態におく。
また、直射日光や急激な感想および寒気に対して適当な養生を行う。
その他の条件はJASS5鉄筋コンクリート工事に従う。


   
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